働くママの日々是修行。
家庭と仕事の両立に悩むママの生活雑感。
2009
November 03
November 03
絶版になっていた本を、ようやく手に入れた~!
「異形の愛」 キャサリン・ダン著/柳下毅一郎訳
傾きかけたサーカスの団長が計画した「お金をかけずにサーカスを再建する方法」とは、妊娠中の妻にありとあらゆる毒薬を飲ませて、見世物用のフリークスを誕生させることだった。
親に望まれて生まれたフリークス同士の切なくも哀しい「異形の愛」は、信者自らが手足を切り落とすという破壊的な身体損傷カルトを生み出してしまう。
からだの異形とこころの異形、ふたつの異形が交差する愛と憎悪の行きつく先は…。
私は映画「フリークス」を観ていないので、登場人物のグロテスクさに引きずられることなく、物語に没頭できたのではないかと思う。
この物語は、せつなくも哀しい愛の物語だった。
主人公それぞれの家族への想い、自分が支配者であるために人を傷つける行為を正当化し実践してしまう心の歪さ…。
感覚的にはまったく理解できないけれど、自分の心の中にある黒く歪んだ感情が揺さぶられた気がした。
私もいま抱えている負の感情を、自分で整理することができたら、誰かをもっと幸せにすることができるのだろうか。
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2009
October 28
October 28
「水曜どうでしょう」DVD第12弾の発売日!
残業せずに、できれば早退して(笑)、大好きな「アラスカ」を鑑賞したいな~。
たまには、こんなご褒美もないとね!
未読のマンガがまだ30冊くらいあるけど、しばらくはDVDに専念するつもり
残業せずに、できれば早退して(笑)、大好きな「アラスカ」を鑑賞したいな~。
たまには、こんなご褒美もないとね!
未読のマンガがまだ30冊くらいあるけど、しばらくはDVDに専念するつもり

2009
October 24
October 24
病院の待合室で読み切ったのが、この一冊。
「生かされて」 イマキュレー・イリバギザ/スティーヴ・アーウィン著 堤江実訳
1994年、「永遠の春」と呼ばれたルワンダで大量虐殺が起こった。人口比9割のフツ族が突如ツチ族に襲いかかり、100日間で100万人の人々を殺したのだ。牧師の家の狭いトイレに7人の女性と身を隠した著者は、迫りくる恐怖と空腹に負けず、奇跡的に生き延びた。祈りの力によって、希望の光を灯したその後の彼女は、虐殺者たちをも許す境地に達する…。
発売当初から読みたいと思っていた一冊が、ようやく文庫化されて、一気に読み切った。
恵まれた日本で暮らす私には、民族抗争の意味も悲惨さも理解することはできない。
ただ、それまで隣人だった人たちが、自分の家族を惨殺し、自分の命を狙うという状況下において、信仰を心の糧に未来を信じ、虐殺者を赦そうと懸命に努力する彼女の姿に心を揺さぶられた。
自分の現在の悩みなど、取るに足りないものだ。
現在も地球上で、戦争や虐殺が行われている。
それを対岸の火事だからと眺めるだけで、何もせずにいていいものなのか?
この一冊は、子どもたちにも読ませようと思う。
2009
October 17
October 17
相変わらず、未読用本棚に積み上げた順に、コツコツ読書を続ける日々が続いている…。
「邂逅(かいこう)~警視庁失踪課・高城賢吾~」 堂場瞬一著
大学の理事長が失踪したと捜索願が出された。しかし捜査を始めると母親の態度は一変し、非協力的に。大学関係者も言を左右し、状況は遅々として掴めない。一方、女性の遺体が仙台で見つかり、法月の担当していた大学職員の失踪者だと判明した、胸に爆弾を抱えながら、自分を苛めるように捜査する法月を気遣う高城だが…。
大好きな堂場さんのシリーズものですが、今回はストーリーが簡単に予測できてしまい、出来としてはイマイチといった感じ。
残念だな~。疲れているのかな~?
「11時間~お腹の赤ちゃんは「人」ではないのですか~」 江花優子著
妊娠8カ月の妻とともに交通事故被害に遭った夫。帝王切開で産まれた長女は、11時間後に逝った。「娘は殺された」。怒りと悲しみで臨んだ刑事裁判で、夫婦は大きな衝撃を受ける。「胎児は人にあらず」。厳然とした刑法の理念に愕然とし、胎児の人権を訴える夫。しかし胎児を「人」と認めると、今度は別の大きな問題にぶちあたる。人工中絶は「人殺し」かー。誰もが語ることすら避けてきた問題に鋭く切り込む、渾新のレポート。
これは、素晴らしい一冊だった。
「命」の始まりをどこと考え、人はいつから「人」になるのか。私も自分に問い続けている。
日本の刑法も民法もザル法で、裁判で判決が出たところで、逃げ道が残されていることを、案外知らない人が多いと思う。
今回のケースだけで考えると、交通事故が原因で緊急帝王切開を余儀なくされ、出産後に亡くなった子どもを、法律上は胎児だから過失致死は適用できないという解釈に、まったく同意できない。
母子は一体ではない。授かったときから、別個の人間だ。
まして胎動を感じ、出産後生存可能な週数で生まれた子どもを「人」と認定しないなんて、ありえないことだ。
自分の子宮で子どもを育むことができない男性、妊娠・出産の経験のない独身女性に、身体の中で子どもが生きていることを実感するがゆえに感じる気持ちを理解できるとは思えないが、医学や科学の技術レベルが異なる時代に作られた法律を盾に論じるのはおかしなことだし、少年法も含めて、現代に合う形に改定していくべきなのに、日本は何もしようとしていない。
読んでいて一番許せなかったのは、裁判の時、加害者の妊娠中の妻が出廷していたことだ。
自分は人様の子どもを殺しておいて、子どもを亡くした被害者の前に妊婦の妻を座らせる神経の持ち主に、謝罪の意思など見えるはずがないだろう!
これをきっかけに、「命」の重さについて、きちんと考えていこうと思った一冊だった。
2009
October 12
October 12
購入したまま放置していた、小説を集中的に読んでいる。
「邪魅の雫」 京極夏彦著
江戸川、大礒で発見された毒殺死体。二つの事件に繋がりはないのか。小松川署に勤務する青木は、独自の調査を始めた。一方、元刑事の益田は、榎木津礼二郎と毒殺事件の被害者との関係を、榎木津の従兄弟・今出川から知らされる。警察の捜査が難航する中、ついにあの男が立ちあがる。
大好きな京極堂シリーズ! でも、読み始めるには勇気がいる一冊でもあった。
だって、文庫なのに1311P! しかも、読み始めると止まらないんだもん(笑)。
この厚さでも、通勤時間しか読まなくても、5日で読了できたのは、物語に引き込まれたせいもあるが、こだわりのレイアウトが読みやすいからという理由も大きい。
京極作品は、文章が決してページをまたがない。
ゲラチェックの大変さを知る私には、モノカキのはしくれである私には、その作業の大変さが身にしみているだけに、尊敬なんて軽い言葉ではなく、畏敬の念を抱いてしまうよ!
次回作が待ち遠しいな~。
「赤い指」 東野圭吾著
少女の遺体が住宅街で発見された。捜査上に浮かんだ平凡な家族。一体どんな悪夢が彼等を狂わせたのか。「この家には、隠されている真実がある。それはこの家の中で、彼等の手によって明かされなければならない」。刑事・加賀恭一郎の謎めいた言葉の意味は?
もともと加賀恭一郎シリーズにそれほど愛着がないせいなのかな~。
ストーリーは面白かったし、テーマも良かったと思うんだけど、展開が読めてしまって…。
京極作品の後だったから、すごく軽く感じてしまった。2時間で読了。
「無銭優雅」 山田詠美著
友人と花屋を経営する斎藤慈雨と、古い日本家屋にひとり棲まいの予備校講師・北村栄。お金をかけなくとも、二人で共有する時間は、“世にも簡素な天国”になる。「心中する前の心持ちで、つき合っていかないか?」。人生の後半に始めた恋に勤しむ二人は今、死という代物に、世界で一番に身勝手な価値を与えているー。
若いころ、山田詠美さんの作品をよく読んだのだが、「4U」以降は手つかずで。
主人公が同年代だったので、久々に手にとってみたのだが、もう二度と読み返すことはないかな(笑)。
慈雨のような生き方ができたら、人をまっすぐに愛し続けられるのかもしれない。
でも、いまの私にはおとぎ話よりもっと遠くて、現実の辛さを際立たせる物語だったな~。
登場人物はみんな、愛すべき人たちで、とくに姪のキャラクターは大好きだったけど!
物語の世界に逃げ込みたくて、小説を読んだのに、没頭できたのは京極作品だけだったのは、ちょっとさびしかったかも~。