働くママの日々是修行。
家庭と仕事の両立に悩むママの生活雑感。
2009
October 17
October 17
相変わらず、未読用本棚に積み上げた順に、コツコツ読書を続ける日々が続いている…。
「邂逅(かいこう)~警視庁失踪課・高城賢吾~」 堂場瞬一著
大学の理事長が失踪したと捜索願が出された。しかし捜査を始めると母親の態度は一変し、非協力的に。大学関係者も言を左右し、状況は遅々として掴めない。一方、女性の遺体が仙台で見つかり、法月の担当していた大学職員の失踪者だと判明した、胸に爆弾を抱えながら、自分を苛めるように捜査する法月を気遣う高城だが…。
大好きな堂場さんのシリーズものですが、今回はストーリーが簡単に予測できてしまい、出来としてはイマイチといった感じ。
残念だな~。疲れているのかな~?
「11時間~お腹の赤ちゃんは「人」ではないのですか~」 江花優子著
妊娠8カ月の妻とともに交通事故被害に遭った夫。帝王切開で産まれた長女は、11時間後に逝った。「娘は殺された」。怒りと悲しみで臨んだ刑事裁判で、夫婦は大きな衝撃を受ける。「胎児は人にあらず」。厳然とした刑法の理念に愕然とし、胎児の人権を訴える夫。しかし胎児を「人」と認めると、今度は別の大きな問題にぶちあたる。人工中絶は「人殺し」かー。誰もが語ることすら避けてきた問題に鋭く切り込む、渾新のレポート。
これは、素晴らしい一冊だった。
「命」の始まりをどこと考え、人はいつから「人」になるのか。私も自分に問い続けている。
日本の刑法も民法もザル法で、裁判で判決が出たところで、逃げ道が残されていることを、案外知らない人が多いと思う。
今回のケースだけで考えると、交通事故が原因で緊急帝王切開を余儀なくされ、出産後に亡くなった子どもを、法律上は胎児だから過失致死は適用できないという解釈に、まったく同意できない。
母子は一体ではない。授かったときから、別個の人間だ。
まして胎動を感じ、出産後生存可能な週数で生まれた子どもを「人」と認定しないなんて、ありえないことだ。
自分の子宮で子どもを育むことができない男性、妊娠・出産の経験のない独身女性に、身体の中で子どもが生きていることを実感するがゆえに感じる気持ちを理解できるとは思えないが、医学や科学の技術レベルが異なる時代に作られた法律を盾に論じるのはおかしなことだし、少年法も含めて、現代に合う形に改定していくべきなのに、日本は何もしようとしていない。
読んでいて一番許せなかったのは、裁判の時、加害者の妊娠中の妻が出廷していたことだ。
自分は人様の子どもを殺しておいて、子どもを亡くした被害者の前に妊婦の妻を座らせる神経の持ち主に、謝罪の意思など見えるはずがないだろう!
これをきっかけに、「命」の重さについて、きちんと考えていこうと思った一冊だった。
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