働くママの日々是修行。
家庭と仕事の両立に悩むママの生活雑感。
July 12
実はここ10日くらい、本を読む気になれなくて、マンガばかり読んでいた私。
その間、読み進めていたのが、オンラインショップで購入したこれらの本だ。
だれが「本」を殺すのか。 佐野眞一著。
若者の活字離れ、性しか、出版会の制度疲労、さらに押し寄せるデジタル化の波…。そんな現代、本はどこから来て、いまどこにいて、将来どこに行くのか。巨大な地殻変動がおき、本が悲鳴を上げている今について記した、渾身のノンフィクション。
これは、書籍関連の仕事に携わるにあたって、社長に読むように勧められた一冊。
正直なところ、業務の一環として読み始めたのだが、とても読みごたえのある内容だった。
私は再販制度は撤廃したほうがよいと思っているし、本の将来を考えずに自分の利益を守るためだけにルーティンの仕事をする取り次ぎも不必要だと思っているし、本を自分で買って読まない出版社社員が高給取りである必要もないと思っているけれど、本当に本の将来を憂い、日々模索していらっしゃる業界関係者の方のお話はすごく面白かった。
ただ、2001年のルポなので、本を取り巻く環境が変わってしまっているから、いまを伝えるものを読んでみたいと思った。
殺人病院~誰も書けなかった病院の裏側~。 五島誠二著。
近頃では医療ミスがニュースを賑わすことが増えているが、医療関係者から見れば、毎日のように起こる医療ミスを患者に伝えずに隠ぺいするケースの方がずっと多い。
その防衛策として、医療業務に関わった筆者が、実例をまとめたノンフィクション。
これはタイトルに惹かれて購入したけど…。正直、この程度の話しかないの?っていう感じ。
自分が医療現場で不正を正そうとしないで、しかも仮名で書くなんて、意味あるのかな~?
久々に時間を無駄にしたと思った。
拉致ー知られざる金大中事件。 中薗英助著。
1973年8月8日。日本滞在中の金大中氏が白昼のホテルから姿を消した! 現場の痕跡が物語るのは、韓国KCIAによる拉致だった…。政治決着により真相究明の道を断たれた金大中事件を取材。大胆な発想で、日韓現代史の闇に迫る。
ノンフィクションを期待して読んだので、ノンフィクション・ノヴェルの本書の読後感はイマイチ。
創作の会話が多過ぎて、事実がフィクション化しすぎている気がした。
再読することはないと思う。
定価で買っていないから、我慢もできるけど、まともに書店で買ってこの読後感だったら、すごく腹が立ったろうな~。
いま「定価で買って悔いなし」と思える本のほとんどがマンガ。
何で最近の本はつまらないんだろうな~。
一瞬バカ売れするベストセラーより、何年も何十年も手元に置いて読み返したくなる本に出会いたい。
古典を読むしかないのかな~。確かに古典は面白いんだけど~。
July 09
July 02
最近の新刊書籍には食指が動かないが、すでに絶版になっていたり、書店には置かれていないノンフィクションを、オンライン書店で発見しては購入している。
さらに生活苦のために手放したマンガをヤフオクで発見しては購入。
加えて、会社の同僚が自分では買わないマンガを次々と貸してくれるので、私の未読用本棚にはコミックも含めて50冊近い未読本が積まれている…
それなのに! 久しぶりに書店に出かけて見つけてしまった、「本日の日記2」を衝動買い!
どうでしょう魂が炸裂し、帰りの地下鉄の中で読み始め、どうにも止まらなくなっている…
週明けまでに書きあげなきゃいけない原稿を抱えているのに!
そんな状況でも、明日から泊りで出張なのに!!
明日もジョギングするから、早く寝なくちゃいけないのに!!!
いま「結核です、入院してください」って言われたら、喜んで入院するのにな~(笑)。
June 21
先週はずっと、ノンフィクション三昧
まず、 「警察回り」 本田靖春著。
昭和33年、読売新聞社会部の警察回り記者だった著者。当時、警察回り記者のたまり場だったトリス・バー「素娥」のマダムであるバアさんを軸に展開する、豪傑たちの逸話の数々を中心に、「人間が人間として生きていた時代」である昭和33年代の東京を描いた回顧録。
以前、この著者の「誘拐」を読んでいて、非常に面白かったので、タイトルに惹かれて購入したけれど。
内容は面白かったけど、読みにくい構成だったし、バアさんの人生の振り返りより、もっと記者仲間のエピソードが読みたかったかな~。
けれど、「世俗的な成功より内なる言論の自由を守り切る方が重要であった」と言い切る記者魂に感動したし、現在のマスコミ報道を見ているからこそ、古き良き時代を受け継ぐ記者にがんばってほしいと強く思った。
そして、 「なぜ君は絶望と闘えたのか~本村洋の3300日~」 門田隆将著。
最愛の妻子が殺害されたあの日から、9年。妻子を殺された深い哀しみの中、幾度となく司法の厚い壁に跳ね返され、なおも敢然と挑んだ青年。だが、それは決して孤高の闘いではなかった。絶望の海を彷徨う青年の陰には、彼を励まし、支えた人たちがいた。そして、青年との闘いの末に「死刑判決」を受けた元少年が判決翌朝、筆者に伝えた意外な言葉とは――。光市母子殺害事件を圧倒的な取材と秘話で綴った感動と衝撃の記録。
この事件については、裁判の経過も、本村さんの闘いも、常に注目してきた。
ようやくこの本を読むことができて…。私はもっぱら通勤時間や移動時間に読書するのだが、車中で涙ぐみながら読み進めた。
私は「死刑」は必要な制度だと思っている。
終身刑も、受刑者の更生プログラムも、出所後の性犯罪者に対する情報公開制度もない現在の日本では、必要な制度だ。
怨恨や過失、事故などの場合は、情状酌量されるのはやぶさかでない。
けれど、強盗、強姦、通り魔など、自分の欲求を満たすための殺人に、情状酌量の余地はなくていい。
どんな劣悪な環境で育とうと、一生罪を犯さずに生きている人の方が圧倒的に多いのだ。
まして、少年法をたてに加害者だけが守られる、現行の法律はおかしい。
だから、殺人を犯した少年が損害賠償を一切支払うこともなく、のうのうと弁護士として働くという現実が起こるのだ。
私はこの事件の加害者少年だった犯人に、真人間になって死んでもらいたい。
死刑という現実がなければ、悔悛できないと思うから。
そして司法関係者には、お役所仕事ではなく、良心を持って、おかしな法律は素直に改正する柔軟さを持ち合わせてほしいと切に願う。
控訴・上告のために判例にとらわれることなく、正義を持って闘った検事さんや、それをサポートするために執念の捜査を続けた捜査班のみなさんの存在があると考えれば、まだまだ日本は捨てたものじゃないのだなと思える。
被害者の冥福を、心から祈る。
最後は、 「桶川ストーカー殺人事件ー遺言」 清水潔著。
一人の週刊誌記者は、殺人犯を捜しあて、警察の腐敗を暴いた…。埼玉県の桶川駅前で白昼起こった女子大生猪野詩織さん殺害事件。彼女の悲痛な「遺言」は、迷宮入りが囁かれるなか、警察とマスコミにより歪められるかに見えた。だがその遺言を信じ、執念の取材を続けた記者がたどり着いた意外な事件の真相、警察の闇とは…。
この事件に関する書籍はそれなりに読んでいるつもりだったのだが、これは未読だった。
いま、昭和の刑事さんや記者さんにまつわる著書を読みつづけているせいか、現在の警察の腐敗、意識の低い大手マスコミに対して、人間の命にかかわる仕事をしているというプロ意識を持てないで、職務を全うできるのかと問いたいと強く思った。
警察が自分たちの不手際を隠ぺいするために作為的に流した情報。それを鵜呑みにして被害者を侮辱し続ける大手マスコミ。
発言の場を持たない被害者遺族やその友人たちは、何度それらの人たちに心を殺されたのだろう。
警察や検察がミスリードすることで、真実は簡単に歪められる。
そうした現実は、後を絶たないのだ。
私たちは、日々垂れ流されている情報をそのまま鵜呑みにするのではなく、何が真実なのかを考え、見極める力を持たなければいけないと思う。
ノンフィクションばかり読んでいると、世の中に対する疑問が次から次へと溢れてくる。
人にはそれぞれ考えがあって、私の意見にも賛否両論あるだろう。
でも大事なのは、自分なりの意見を持つことにあるのだ。
それが信念であり、生き方につながると思うから…。
June 14
先週はミステリーを中心に読んだ

まず。 「告白」 湊かなえ著。
我が子を校内で亡くした女性教師が、終業式のHRで犯人である少年を指し示す。ひとつの事件をモノローグ形式で「級友」「犯人」「犯人の家族」から、それぞれ語らせ真相に迫る。
いま人気の作品ゆえ、かなり期待値をあげて臨んだのだが。
面白かったし、中盤からラストにかけてはかなり引き込まれたけれど、昨年薬丸岳さんの「天使のナイフ」を読んだときほどの感動はなかったな~。
でも、本書がデビュー作だと考えれば、すごい才能だと思う。
今後も読みつづけていく作家の一人であることは、間違いない。
次いで。 「相剋~警視庁失踪課・高城賢吾」 堂場瞬一著。
捜査一課から失踪課に来た協力要請。情報提供して消えた目撃者を捜してほしいという。筋違いと主張する高城の代りに、同僚たちが捜査を開始する。時を同じくして、少女が失踪。友人が訴え出るものの、親族以外からの捜索願は受理できない。両親のもとに出向いた高城は、家族の対ソに違和感を感じ、非公式に調べ始めるが…。
警察小説好きの私が、横山秀夫さんに次いで大好きな作家。さらに、失踪課シリーズ第二弾ということで、一気に読み進めた。
正直なところ、失踪課シリーズ第一弾より好きかも

ストーリーとしては、ある程度予測ができるのだけれど、「兄弟」をテーマに事件の核心に迫る中で同僚の醍醐の過去と決別についても話が及んでいくところが、とても面白かった。
そしてラスト。 「日本怪死事件史」 別冊宝島編集部編。
“不審”“疑惑”という言葉とともに報道された死の裏側にはいったい何があったのか。“不審な死”“疑惑の死”と報道された昭和・平成の事件を検証し、その「怪死」の真相を明らかにする。
読み物としては、面白く読んだけど、真相は明らかになってないよね?って感じ(笑)。
マスコミが虚偽を報道した事件、明らかに国の圧力でもみ消されたのだろうなと思える事件も含まれていたが、思うのは人を殺すのは簡単なことだなということだけ。
自殺の背景にも、必ず人がいる。自分が直接手を下さなくても、人を死に追い込むのは簡単なことだ。
また、殺人事件であっても、上からの圧力でもみ消されることがあるのも事実。
それで、法治国家なんて言えるんだろうか?
もともと持っていた警察への不信感だけでなく、検察、法医学者に対する不信感が強まった気がする。
いま、未読用本棚には10冊以上の本が積み上がっている。
会社のデスクにも、読みたい本を積んである。
新刊より古書の方が面白いというのが、本好きには寂しくもあるけどね
