反動。

 　常に人の悪意に晒され、自分を守るために他人を貶めようと画策する人に中傷誹謗されているという事実。
　望まれている役割と個人的な感情の乖離。
　責任を全うすること。
　人の気持ちを考えて、自分の感情を隠したり殺さなければならない状況。

　何も気づかない顔をして、でもその出来事と正面から対峙しているから、気持ちのバランスをとるのも体調を管理するのも難しくなってきている。
　苦しいけど、本当に血を吐きながらがんばっているけど、絶対に逃げないと決めている。
　ここで逃げれば、こうした問題はこの先もずっと付いて回るし、私は父親のようになりたくないから。

　
　

 　父は弱い人だった。
　人付き合いが下手で、小心者のくせにプライドだけは人一倍高くて、商売がうまくいかないことを全部母のせいにして、働かずにお酒に逃げて、暴力を振るって家族を支配しようとして、結局家族全員に捨てられた。

　私はあんな親にはならない。あんな人間には絶対にならない。
　その想いが、現在の私をつくっている。
　だから、何があっても自分で稼いで子どもたちを食べさせることにこだわったし、仕事でも他人に責任転嫁してまで自分を守ろうとはしてこなかった。
　中傷誹謗されることも多かったけど、真実は一つだし、自分に嘘をつかずに生きることの方が大事だと思っていたから。
　自分が本当に大切にしている人だけ、私の本質をわかってくれればそれでいいんだと、必死に自分に言い聞かせている。

　この苦しみが、自分の成長につながりますように。
　自分が苦しんだ分、人に優しくなれる人間になれますように。