働くママの日々是修行。
家庭と仕事の両立に悩むママの生活雑感。
2010
January 23
January 23
積みっぱなしの未読用本棚から、積んである順に読書を進めている最近の私。
なぜか、ノンフィクションが固まっていました

「死刑囚~最後の1時間~」 別冊宝島編集部編
戦後死刑囚50人の事件とその“死に様”とは…。連続暴行殺人魔の大久保清は「お迎えの声」を聞いて、ガチガチと震え失禁した。一方、同じく暴行殺人魔の小平義雄は「言い残すことは何もありません」と淡々と話し、刑場に向かった。「おかやん、おかやん、助けてくれよ、おかやん」と咆哮した脱獄囚、菊池正。95歳の生涯を生きた帝銀事件の平沢貞通など。いまだ執行を待つ死刑囚も含めて彼らに迫る。
終身刑が確立されない限り、死刑は不可欠だと考えている私だが、当日まで執行を知らされないというのはいかがなものかと思う。
死刑執行の恐怖に駆られ自殺する人もいるだろうから、一概には言えないと思うけれど、何十年か前までは執行前に近親者に会ったり、好きなものを食べることができたわけだから、それくらいの人情はあってもいいのになぁという感想は持った。
でも、読み返すことはなさそうだ。
「19歳~一家四人惨殺犯の告白~」 永瀬隼介著
1992年、千葉県市川市で一晩に一家四人が惨殺される事件が発生。現行犯で逮捕されたのは、19歳の少年だった。殺人を「鰻を捌くより簡単」と嘯くこの男は、どのようにして凶行へと走ったのか? 暴力と憎悪に塗り固められた少年の生い立ち、事件までの行動と死刑確定までの道のりを、面会と書簡を通じて丹念に辿る著者。そこで見えた荒涼たる少年の心の闇とは…。
これは文庫で読んで良かった一冊。単行本だと、消化不良感が否めなかったと思う。
行きずりの人を殺せる人間にある共通点の一つに、「親からの愛情を感じられずに育っている」ことがあげられるだろうと思う。
衣食住に困らなくても、欲しい物を何でも買い与えられても、それは愛されていることではない。
不安なとき、さびしいとき、しっかり抱きしめて安心感を与えてもらえた経験があるのとないのとでは、その後の生き方が大きく変わる。
自分も家庭が安心できる場所ではなかったし、父親に子どもとして守ってもらえた実感がないから、どこか男性不信のまま育ったことが、さまざまな弊害を齎したので、余計にそう考えるのかもしれないが…。
犯人とその両親は十分に苦しむべきだと思うが、弟さんに罪はないのに。
他人の心の闇を探り出すことは不可能なのだから、本人が書くものを読んでみたいと思った。
「窓から見える小さな空~少年鑑別所の少女の叫び~」 西街守著
少年鑑別所の教官になった僕の前に、不敵な美少女が現れた。14歳で二度の中絶、覚せい剤の悪夢、親友の死を経験したありす。義父に強姦され母に捨てられ、恋人が急逝した19歳の美紀。小学生のときに姉の恋人から性的悪戯、17歳でヤクザの愛人になった里緒。彼女たちを救うことで、僕は救われた。元法務教官が描いた愛と再生のノンフィクション。
少年鑑別所の実情と、そこに収容された少女の実例を知るという意味では、読んでいて面白かったけど。
この著者に対しては、「別にアンタは誰も救ってないじゃん!」という突っ込みどころが満載だった。
たかが1年しか勤務せず、しかも責任ある職務についた経験もないのに、何を言ってるの? って感じ。
主人公の少女たちがいま幸せであることを願っているけど、同時期に収容されていたはずの少年の記述がまったくないあたりに、著者の本質が見えた気がした。
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