働くママの日々是修行。
家庭と仕事の両立に悩むママの生活雑感。
2010
January 17
January 17
内勤が多かったので、あまり読書量は捗っていませんが

「少年たちはなぜ人を殺すのか」 対談集 宮台真司×香山リカ
神戸・酒鬼薔薇事件、佐賀・バスジャック事件、愛知・主婦刺殺事件…1990年前後に相次いだ少年の殺人事件を受け、社会学者の宮台真司と精神科医の香山リカが連続対談した一冊。「少年たちの動機を探しても無意味であり、人を殺すことの敷居が低くなっている」その社会的背景を分析しようとする宮台と、臨床家の立場から少年たちの気持ちに寄り添おうとする香山の掛け合いにより、一連の事件の深層に迫っていく。新たな宮台と香山の対談を附す。
ブックオフで見かけて手に取った一冊なので、すでに出版されてから10年近くたっているのだけれど、面白く読みました。
社会学という観点から少年犯罪を分析すると、こういう見方もあるのか~と思う記述も多かったし。
私は少年犯罪であっても、死刑を含めた厳罰を科すべきだと思うし、終身刑が実現できないなら死刑制度を廃止すべきではないと思っているけど、社会全体で子どもを育てていく仕組みは必要だと思いましたね。
我が家は3世代同居で、家族以外の大人に叱ってもらえる状況で子育てできたから、子どもたちは子どもらしく育っていると思っているけど、社会的には少数派だから…。
「夜想」 貫井徳郎著
事故で妻と娘を亡くし、絶望の中で惰性で生きる雪藤。だが美少女・天美遥と出会ったことで、雪藤の止まっていた時計がまた動き始める。やがて遥の持つ特殊な力は、傷ついた人々に安らぎを与え始めるが…。あの『慟哭』のテーマ<新興宗教>に再び著者が挑む。魂の絶望と救いを描いた、渾身の巨篇。
『慟哭』でファンになった貫井作品ですから、夢中になって読みました。
遥の特殊能力を除けば、この物語は日常的にあり得ることで、どのキャラクターに感情移入して読むかで、感じ方も違うと思うのですが、私は睡眠時間を削って読み切りました。
久々に夢中になれた一冊でしたね。
「ノーフォールト」 岡井崇著
大学病院に勤める女性産科医・柊奈智は、深夜の当直で容体が急変した妊婦に緊急帝王切開手術を行う。ギリギリの判断が幸いし、子どもは無事に生を受けた。だが喜びもつかの間、数日後に原因不明の出血が母親を襲う。医師たちの懸命な治療の甲斐もなく、出血の原因がわからないまま、母親は死亡してしまった。患者を救えなかったことでショックを受けた奈智を待ち受けていたのは、患者の遺族から訴訟を起こされるという過酷な現実だった…。
これは日本テレビ系で「ギネ~産婦人科の女たち~」としてドラマ化された作品ですが、原作は全然違うないようでした。
産婦人科や小児科を志望する医師が激減し、心ある医師に大きな負担を強いる形で、過酷な現状の産婦人科は維持されているけれど、日本の医療制度について、本当に真摯に考える時期がきていることを実感する一冊でした。
話的には、小説家が書いたものではないので、ご都合主義的な部分が少なくないのだけれど、産婦人科医師の現場の状況を一般の人に伝えるという意味では、非常に良い作品だったと思います。
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