働くママの日々是修行。
家庭と仕事の両立に悩むママの生活雑感。
2009
November 15
November 15
病院でユリに付き添っている間に、これらの本を読んでいた。
「赤いコートの女~東京女性ホームレス物語~」 宮下忠子著
様々な事情を抱え、路上生活に堕ちながらも気高く生きる女たち。永くその支援に奔走してきた筆者は、彼女たち一人一人に寄り添いながら自分に何ができるか、社会に何が必要なのかを探ってゆく。等身大に綴られる女性たちの生き様と、それを見守る筆者の温かな眼差しが心に響くノンフィクション。
札幌では女性ホームレスを見かけたことはないが、路上生活を選ぶ女性には男性以上の危険があることは想像に難くない。
物語の主人公になった二人の女性は、運よく路上生活から抜け出すことができたけれど、レイプや望まぬ妊娠という性暴力に晒されながら路上で暮らす女性はまだたくさんいるわけで…。
この不況下、ホームレスはますます増えていくだろうけれど、何とか状況を打開することはできないのかと思う一冊だった。
「でっちあげ~福岡「殺人教師」事件の真相~」 福田ますみ著
「早く死ね、自分で死ね!」2003年6月、全国ではじめて「教師によるいじめ」と認定される事件が福岡で起こった。問題の小学校教師は、担任児童を自殺強要や凄惨な暴力でPTSDによる長期入院に追い込んだとされ、「殺人教師」とまで報じられた。だが後に、この一連の事実は、児童両親による「でっちあげ」だったことが明らかになっていく…。親の言いなりになる学校、妄信するマスコミ、医師、550人もの大弁護団…病める教育現場で起こった驚愕の冤罪劇。
“事実は小悦より奇なり”を、地でいく話だった…。
何のために被害者と言われた男児の両親が、執拗なまでに嘘の供述を繰り返したのか?
裁判で敗訴した後、この両親はどうなったのか。
その後がすごく気になる一冊だった。
「死体があった部屋から見えること」 (株)セントワークス 中岡隆著
凄まじい死臭、蠢くウジ虫、黒い塊と化す銀バエ…。腐乱した死体があった部屋やゴミ屋敷の整理・撤去作業を行う著者が見たものは何か!?きれい事ではない、現代の死の現場をレポートした衝撃作!!
知人のお父様が死後腐乱した状態で発見されたことがあったので、そうした部屋の片づけ等を専門的に行う業者さんの話は非常に興味深く読んだ。
人の死にまつわるのは悲しみだけでなく、人の業や欲だけが現れることもあるのだと、複雑な気持ちになった。
死が身近になったら、自分はきちんと身辺整理をしなければと思った。
「十年不倫の男たち」 衿野未矢著

「悪者扱いしないでほしい」。私生活を語ることの少ない男性たちが、自身の道ならぬ恋について語り始めた。妻の目をまっすぐ見られないほどの罪悪感に苦しみながらも、長く関係を続けるのはなぜか。恋人の将来をどう考えているのか。妻と恋人のどちらをより愛しているのか――。本音と建前の狭間で揺れる複雑な男性心理に迫り、前作『十年不倫』と対をなすノンフィクション!
これは、「十年不倫」を読んでいたので、続編感覚で読んだだけ。
正直なところ、「男って楽でいいよな~」という感想しかない。
女は仕事を持っていたって、お金を稼いでいたって、子どもや親に何かがあれば仕事を犠牲にして看病や介護をしなければならないし、逃げ場もないっていうのに、自分だけはよそに女を作って楽できるなんて!
浮気は別にかまわないけれど、女房を働かせるような甲斐性なしが、何年も不倫するのは絶対に許せないと思った!

「宮﨑勤事件~塗りつぶされたシナリオ~」 一橋文哉著
80年代末の日本を震撼させた連続幼女誘拐殺人事件。「今田勇子」の名で犯行声明まで出した犯人・宮崎勤の狙いは何だったのか。彼は本当に精神を病んでいるのか。事件には、驚くべきストーリーがあった。捜査資料と精神鑑定書の再検討、関係者への粘り強い取材が、裁判でも明らかにされない真相を浮かび上がらせる。事件は終わっていない。今も宮崎勤は自作自演の舞台に立ち続けている。
これは公判が決着する前に書かれたものだったが、非常に面白かった。
結局、何がこの事件を生んだのかがわからないまま、犯人は死刑になったけれど…。
被害者の冥福を心から祈る。
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