働くママの日々是修行。
家庭と仕事の両立に悩むママの生活雑感。
2009
November 22
November 22
薄っぺらな恋愛小説に食傷気味だった私が、すっかりはまってしまった…。
「すぐそばの彼方」 白石一文著
次期首相の本命と目される大物代議士を父に持つ柴田龍彦。彼は4年前に起こした不祥事の結果、精神に失調をきたし、父の秘書を務めながらも、日々の生活費にさえ事欠く不遇な状況にあった。父の総裁選出馬を契機に、政界の深部に呑み込まれていく彼は、徐々に自分を取り戻し始めるが、再生の過程で人生最大の選択を迫られる…。一度きりの人生で彼が本当に求めていたものとは、果たして何だったのか。
主人公を取り巻く人たちとその関わりに着眼しても、十分面白い作品だったと思うが、私は政治絡みのストーリーに引き込まれた感じ。
恵まれた環境で努力することなく何でも手に入れてきた人特有の弱さに、かなりイライラしたけれど(笑)、久々に自宅でも読み続けるほど引き込まれる作品だったな~。
「僕のなかの壊れていない部分」 白石一文著
出版社に勤務する29歳の「僕」は3人の女性と同時に関係を持ちながら、その誰とも深い繋がりを結ぼうとしない。一方で、自宅には鍵をかけず、行き場のない若者2人を自由に出入りさせていた。常に、生まれてこなければよかった、という絶望感を抱く「僕」は、驚異的な記憶力を持つ。その理由は、彼の得意な過去にあった。
これは、読後感がよろしくなかった。単に、私が主人公にまったく共感できなかったせいだけど。
こういう自分の過去の傷に勝手に囚われて、他人を平気で傷つけたり、踏みつける人の弱さが大嫌いだから。
自分が辛い思いをしたなら、その分他人に優しくある努力をすべきだと私は思っているので、彼に振り回される人たちの台詞にうなづきながら読み進めた感があった。
「私という運命について」 白石一文著
大手メーカーの営業部に総合職として勤務する冬樹亜紀は、元恋人・佐藤康の結婚式の招待状に出欠の返事を出しかねていた。康との別離後、彼の母親から手紙をもらったことを思い出した亜紀は、2年の年月を経て、その手紙を読むことになり…。女性にとって恋愛、結婚、出産、家族、そして死とは? 一人の女性の29歳から40歳までの揺れる10年を描く。
29歳から40歳。まさに、私の結婚生活と同じ年月ということもあり、集中して読み始めた。
途中からラストは透けて見えていたのだけれど、様々な年齢の時代背景と、その度に自分を振り返り大きな決断を繰り返す主人公の生真面目さや不器用さに心を惹かれて、眠る時間を削って読み進めた。
これは、時間をおいてもう一度読み直してみたい一冊だった。
という感じで、いま白石一文さんにすごくはまっている。
また、探しに行かなくちゃ!
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