働くママの日々是修行。
家庭と仕事の両立に悩むママの生活雑感。
2009
September 21
September 21
入院していたユリ・マリに付き添っている時間に、久々に集中的に読書をしていた。
気分的にノンフィクションを読む気になれず、小説を中心に。
「脳男」 首藤瓜於著
連続爆弾犯のアジトで見つかった、心を持たない男・鈴木一郎。逮捕後、新たな爆弾の在処を警察に告げたこの男は、共犯者なのか。男の精神鑑定を担当する医師・鷲谷真梨子は、彼の本性を探ろうとする。そんなとき、男が入院する病院に爆弾が仕掛けられた…。
第46回江戸川乱歩賞受賞作ということで、期待を持って読み始めたけど、「天使のナイフ」を読んだときのような感動はなかったかな~。
ストーリーは面白いんだけどリアリティがないので、眠る間を惜しむほど作品に引き込まれることはなかったかも…。
でも、この作家さんには興味を持ったので、別な作品も読んでみようと思う。
「死刑囚34年~不屈の男・免田栄の歳月~」 潮谷総一郎著
絶望の淵からたった一人で闘い始めた死刑囚・免田栄。その34年にわたる苦悩の姿と、激しく揺れ動く心理を、免田被告が「心の師」と仰いだ著者が、その交流を通して克明に描く。
これはブックオフで見つけたノンフィクションで、免田事件のことは名前だけ知っていたので思わず手にとったのだけれど。
書いてある事実に衝撃的なことは多いのだけど、支援者の方の手記なので、死刑囚本人の気持ちの動きに関する記述が少なすぎて、正直期待はずれだった一冊。
これは免田さん本人の手記を探して読んでみようと思う。
「不自由な心」 白石一文著
人は何のために人を愛するのか? その愛とは? 幸福とは? 死とは何なのか? 透徹した視線で人間存在の根源を見つめ、緊密な文体を駆使してリアルかつ独自の物語世界を構築した、会心の作品集。
書店で平積みになっているのをよく見かけていて、興味を持った作家の一人だったので、お試しのつもりで買ったのだが、アタリだった!
不倫を含めた恋愛の話も多いのだけれど、サラリーマンが主人公の作品ばかりなので、仕事や職場での立場、人間関係に関する設定やエピソードがすごく良かった。
「一瞬の光」 白石一文著
38歳という若さで、日本を代表する企業の人事課長に抜擢されたエリート・橋田浩介。彼は男に絡まれていたところを助けたことがきっかけで、短大生・中平香折と知りあう。社内での派閥抗争に翻弄されるなか、橋田にとって彼女の存在は日増しに大きくなり、香折との交流を通じて、これまでの自分の存在意義に疑問を感じ、本当に大切なことを見出していくのだった…。
前半はリズムに乗り切れなくて、読むのを辞めようかと思ったのだけれど、後半の愛情の持ち方が屈折した香折と愛されて育った健康的な瑠衣との間で揺れ動く様子や、派閥抗争のやりとりが非常に面白かった。
私も両親に愛されて、何不自由なく育った人の健康的な恋愛観について行けないタイプの人間なので、余計に感情移入したのかもしれない。
「殺人の門」 東野圭吾著
「倉持修を殺そう」と思ったのはいつからだろう。悪魔のごときあの男のせいで、私の人生はいつも狂わされてきた。そして数多くの人間が不幸になった。あいつだけは生かしておいてはならない。でも、私には殺すことができないのだ…。殺人者になるために、私に欠けているものは一体何なのだろうか? 人が人を殺すという行為はいかなることなのか。直木賞作家が描く、「憎悪」と「殺意」の一大抒情詩。
これは、過去に読んだのかの記憶が曖昧で購入。東野作品にコメントは不要だろう。
文句なく、面白かった。
「秋の森の奇跡」 林真理子著
輸入家具店店長の裕子は42歳。夫と娘と何不自由ない毎日を送っていたが、実母が認知症になったことから、その人生が大きく暗転する。母親の介護をめぐる実兄との諍い、夫の隠された過去への不信感から逃れるように、裕子は妻子ある男との関係を深めていく。不倫でも浮気でもない、真の恋愛を求める裕子は、魂の触れあう真の恋を掴むことができるのだろうか。
病院で手持ちの本を読みつくしてしまい、売店で購入した一冊。林真理子さんの作品を読むのは、「anego」以来だったのだが、正直いま一つという感じ。
魂の触れあう真の恋というフレーズに惹かれたのに、結局不倫の話でしょ? というのが率直な感想。
介護を巡る実兄と義姉とのやりとりは、リアリティがあって面白かったけど。
家庭のある主婦の恋愛がこんなにイージーなんて、逆につまらないなぁと思ってしまった。
「ドラゴン・ティアーズ 龍涙~池袋ウェストゲートパークⅨ」 石田衣良著
茨木の奴隷工場から中国人少女が脱走した。250人の研修生の強制送還まで、タイムリミットは一週間。捜索を頼まれたマコトは、チャイナタウンの裏組織“東龍”に近づく。
私が唯一新刊購入する、大好きな池袋ウェストゲートパークシリーズの最新刊。
テーマが時代を捉えていること、底辺層の哀しみに溢れつつも、人への愛情が随所にちりばめられていて、今回も一気読みしたわ~。
これだけ読んでも、まだ未読用本棚に10冊以上の本が残っている…。
読書の秋だし、がんばらなきゃ

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